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●小矢部の農家と連携
創業155年の老舗菓子店「かじわ屋」(南砺市)は、富山湾の海洋深層水を活用して糖度を高めたトマトのゼリーを考案した。20年以上前から深層水を使ってトマトを栽培する「ひかりファーム」(小矢部市)から仕入れ、香料を使わず丁寧に裏ごしする製造方法でつるんとした食感とフルーツのような風味を出した。富山県産にこだわった新たな特産品として売り込む。
トマトゼリーは「富山深層水トマト」の名称で29日から販売する。かじわ屋7代目店主の中村和靖さん(56)が知人からもらった「ひかりファーム」のトマトを食べ、濃厚な甘さをゼリーに生かそうと商品開発を進めてきた。
トマトはハウス内の水耕栽培で作られ、適度に富山湾の海洋深層水を与えることで甘みが増す。通常のトマトの糖度は6度だが、ひかりファームのトマトは10度と高い。
中村さんはトマトの皮をむき、鍋で煮込み、裏ごししてピューレ状のトマトをゼラチンで固めた。砂糖を抑え、酸味を出すレモン汁を加え、素材をいかしたフルーツゼリーに仕上げた。
かじわ屋はこれまでも、くずもちのアイスバーや生クリームをふんだんに使ったかき氷など若い世代にも好まれる商品を開発してきた。中村さんは「今夏の目玉商品ができた」と期待を込めた。ひかりファームの小倉豊明社長(66)も「フルーツのように甘く、トマトのおいしさが出たゼリーになった」と評価した。