LRT走る道路、間違えやすい運転は? 宇都宮市が実際の事故を例に動画制作へ

JR宇都宮駅東口にはLRTが通過するため、左折と直進が別々に表示される信号機がある

 【宇都宮】市は、次世代型路面電車(LRT)開業1年に向けて、LRTが走る道路での“間違えやすい運転例”を集めた交通安全動画を制作する。「路面電車の街」に仲間入りしたことで、これまで経験したことがなかった交通場面に遭遇することも。実際に起きたLRTとの接触事故の原因などを基にしながらヒヤリハット動画を作り、注意を呼びかける。

 市によると、LRTと車がぶつかる事故は昨年8月の開業以降、6件起きている。市は昨年度、電車用の信号があるといったLRTが走る道路の基本的な交通ルールを周知する動画を作った。本年度は実際の事故を基にして、より具体的な内容にする。

 例えば、JR宇都宮駅東口のロータリーと鬼怒通りの接続地点では、左折と直進の信号が別々に表示されるため、直進してはいけない場面でも左折車につられて直進しそうになる。動画では現場撮影などを行いながら、そうした信号があることを周知していく。

 このほか、LRTが走る軌道敷内は右左折などで横切る場合を除いて走行できないこと、ゼブラゾーンを通る時は軌道敷へのはみ出しに注意すること、停留場付近では歩行者の横断に気を付けることなど、LRT開業後の新しい交通ルールや歩行者の行動変化を中心に取り上げる。

 動画は1例ずつ1分強の短編を想定し、3種類を作る。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開し、同サイトの広告動画としても流す。屋外のデジタルサイネージでの放映や交通安全教室での活用も予定する。制作事業者を決め、夏ごろの完成、配信を目指す。

 市担当者は「もうすぐ開業1年。LRTが走る風景が当たり前になり、慣れてきた時だからこそ改めて注意を呼びかけたい」と話している。

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