再上場は5―7年と考えるが、厳密なガイドラインではない=JSR社長

Ritsuko Shimizu

[東京 27日 ロイター] - 半導体素材大手JSRのエリック・ジョンソン社長は27日の会見で、収益性の改善や構造改革に優先的に取り組む考えを示した。再上場については、5―7年と考えているが、厳密なガイドラインではないと述べた。

産業革新投資機構(JIC)傘下の事業再編ファンド、JICキャピタルによるJSRに対する株式公開買い付け(TOB)は4月16日に成立。JSRは6月25日に上場を廃止し、今後は、半導体材料の業界再編を主導したい考え。

JICキャピタルの池内省五社長は「中長期的には収益改善が重要な課題。もう少し長期の目線で業界再編と伴う成長戦略を実行していく」と述べた。また、半導体産業は分野が細分化されているとし、競争力のあるフォトレジストについても、細分化された他のパーツを買収していくことで「パッケージとしての競争力を高めていく」と述べた。

JIC連合が買収した新光電気工業について、池内社長は「新光電気は後工程に強い会社。JSRとは製造工程で強みが違う」とし、「現時点で2社を統合するとか、大きなシナジーを追求することは想定していない」と述べた。

ジョンソン社長も「パッケージ事業は新光電気の事業とは全く異なるもの。かなり離れたビジネス」と指摘した。

JSRは27日に定時株主総会を開き、エリック・ジョンソン社長の再任のほか、池内氏らJICキャピタルからの2名を含む計4名を新任取締役として選任した。

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