日銀、国債買い入れ減額で銀行などに調査 参加者会合に向け

Takahiko Wada

[東京 27日 ロイター] - 日銀は、債券市場参加者会合に先立ち、銀行など会合に参加する金融機関を対象にアンケート調査を行い、国債買い入れに関して金融機関が想定している減額幅やペースなどを聞いている。7月に実施する会合の事前資料にする。

債券市場参加者会合の前には市場機能度などを参加者に聞くのが通常だが、複数の関係者によると、今回は国債買い入れ減額の具体的なイメージや望ましい国債買い入れの手法を聞いている。

日銀は「全ての参加者から意見をしっかりと聞くという観点から、具体的な減額の幅やペース、減額の枠組みなどについて事前に意見照会を行っている」とコメントした。

日銀は7月9―10日に債券市場参加者会合を開く。通常は年2回の開催だが、今回は6月の金融政策決定会合での国債買い入れ減額方針を受けた臨時の会合という位置付けとなる。

債券市場参加者会合は銀行、証券会社、バイサイドの3グループに分けて各金融機関の実務担当者から意見を聞くことにしているが、アンケート調査は会合の事前準備の意味合いがある。

日銀はこの会合で出された意見を踏まえ、7月末の金融政策決定会合で今後1―2年の国債買い入れの減額計画を決めることにしている。植田和男総裁は6月の決定会合後の記者会見で、国債買い入れの減額に当たっては市場参加者の声も聞いた上で丁寧に進めていく方針を示した。

日銀の国債買い入れの減額に伴う国債の買い手としては、銀行の動向が焦点。財務省の債務管理研究会は21日、発行年限の長期化戦略を見直し、銀行勢の保有を促すことなどを盛り込んだ提言をまとめた。

27日に日銀が発表した資金循環統計によれば、日銀の国債保有比率(国庫短期証券を除くベース)は3月末時点で53.25%と、発行額の半数超を保有している。これに対して、銀行を含む預金取り扱い金融機関の保有比率は9.29%で、異次元緩和の開始前13年3月末の39.05%から大幅に比率を落としている。

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