中国熱帯農業科学院、ゴムの木の品種改良で国家科学技術進歩賞受賞

中国熱帯農業科学院、ゴムの木の品種改良で国家科学技術進歩賞受賞

  【新華社海口6月28日】中国北京市で24日、2023年度の国家科学技術進歩賞が発表された。中国熱帯農業科学院ゴム研究所が主導した「耐寒性と耐風性に優れ高収量のゴムの木の品種の栽培と応用」の研究成果が2等賞を受賞し、ベテラン、中堅、若手3世代の育種家が積み重ねてきた努力が実を結んだ。

 天然ゴムは「黒い黄金」と呼ばれ、ゴムの木の伝統的な育種サイクルは40年以上に及ぶ。しかし、国内の栽培適地は気候の面で課題に直面していたことから、同科学院の研究員は品種改良や選別、栽培の研究に根気強く取り組んできた。

 呉雲通(ご・うんつう)氏らベテラン研究員たちは国内の気候に適した品種の選抜育種に成功。ゴム植林の北方への移動を実現し、ゴムの生産量を大幅に増加させた。

 続いて、国家天然ゴム産業技術体系首席科学者の黄華孫(こう・かそん)氏を代表とする中堅の育種家たちは耐寒性と耐風性に優れた高収量の新品種の育種に取り組み、ゴムの科学研究システムを確立。ゴムの木の体細胞の不定胚培養による大量苗生産の技術が飛躍的に進歩し、ゴム産業の経済効果が大きく向上した。

 若手研究員は現代のバイオテクノロジーとインテリジェント化された方法で育種サイクルを継続的に短縮し、品種の質を向上させた。

 3世代の育種家の努力によって、研究者はゴムの木の育種サイクルを41年から27年に短縮させ、高耐寒・高耐風・高収量の特徴を備えた8品種を開発した。ゴムの木の種子源の自主コントロールを促進することで、国内のゴム栽培適地が拡大を続け、ゴムの木の品種輸入から輸出に至るまで根本的な転換を実現した。(記者/張麗蕓)

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