S&P、農林中金のアウトルックを「ネガティブ」に下方修正

Shinichi Uchida

[東京 28日 ロイター] - S&Pグローバル・レーティングは28日、農林中央金庫のアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に下方修正したと発表した。長期・短期発行体格付けはそれぞれ「A」と「A-1」に据え置いた。

アウトルックの変更は、農中について少なくとも3分の1の確率で収益バッファーがS&Pの予想通りに着実に改善できない可能性があるとみていることに基づく。予定される投資資産ポートフォリオの再構築で金利リスクの低減が見込まれるが、欧米中銀の利下げの後ずれなどに伴う市場環境の変化により、収益の改善が遅れる可能性があるという。

S&Pは農中は強い自己資本を維持するとの見解も示した。

農中は、金利の高止まりで予想以上に含み損が拡大しているため、2025年3月期に約10兆円の欧米国債の売却を計画している。

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