「マイナンバーカード」で施錠の解除可能に 記録的な豪雨災害から1年 富山・立山町

富山県の立山町に甚大な被害を出した記録的な豪雨から28日で1年です。立山町はこうした災害に備えようと町のすべての職員が自分のマイナンバーカードを使って指定避難所の鍵を開錠する県内初、全国でも珍しい取り組みが始まりました。

立山町 舟橋貴之町長:「おーすごい!」

立山町の舟橋町長がかざしたのは自分のマイナンバーカードです。

指定避難所になっている体育館の鍵が開きました。立山町で運用が始まったのが町のすべての職員が自分のマイナンバーカードをかざすことで指定避難所の鍵が開けられる富山県内初の仕組みです。現時点で職員の9割にあたるおよそ150人が登録を終えています。

立山町 舟橋貴之町長:「発案者僕なんですよ。何人かの職員に鍵を渡してあるんですが…来れるかわからないでしょ。役場の職員なら駆けつけられるのは心強い」「多分、これ全国に広がってもいいと思う」

記録的な豪雨被害と地震の避難問題で…

立山町ではちょうど1年前、記録的な豪雨により白岩川ダムが緊急放流を実施。

下流域では住宅や農地に水が押し寄せ浸水被害が相次ぎました。立山町、上市町と富山市の一部に避難指示が出され一時、2000人近くが避難を余儀なくされました。

また元日の能登半島地震では津波警報が出た際に避難所の鍵が閉まっていて窓ガラスを割って中に入るケースも…。

立山町で、そのような事例はありませんでしたが、富山市の沿岸部から大勢の人が避難所に押し寄せました。

避難所1か所に職員3、4人が鍵でも開錠可能

大規模災害時に避難所をいち早く開設できるよう立山町では2年前から準備をすすめ、避難所に指定されている町内7つすべての小中学校にカードリーダーを設置。国の支援を受けおよそ6900万円をかけて体制を整えました。

立山町 舟橋貴之町長:「いつ大雨がくるかわからない。つまり深夜かもしれない。それから1月1日のようにみんなが立山町にいない可能性がある。誰でも対応できるというのが、役場の職員であったら、なおかつマイナンバーですから、どの職員が何時何分にあけたかわかるわけなので、そういう意味では安心感がある」

また、これまでと同様に通常の鍵も使用可能で避難所1か所につき町の職員3、4人が通常の鍵を持っていてどちらでも開錠が可能になっています。

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