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【小山】犬塚8丁目、農業森田恵介(もりたけいすけ)さん(80)は30年以上、大谷北小3年生を自宅の畑に招きトウモロコシの収穫など農業体験の授業を行ってきたが、80歳の節目を迎えた今年を最後に“卒業”することを決めた。森田さんは「子どもたちの笑顔のために続けてきて、たくさんの思い出ができた」と充実感をにじませた。
森田さんは毎年、飯ごう炊飯やコロッケ作りなどを通じて児童と交流してきた。20年ほど前からはトウモロコシの収穫体験を中心に行うようになり、毎年児童の数を計算しながらトウモロコシを育ててきた。
通算34回目にして最後の授業となった21日は、3年生約120人が参加した。児童は森田さんと妻の洋子(ようこ)さん(75)の説明を聞きながら、唐箕(とうみ)や脱穀機といった農機具の仕組みや農作物を育てる大変さなどを学んだ後、トウモロコシの収穫に臨んだ。
森田さんはこの日のために「おおもの83」という品種を約2千平方メートルの畑で3カ月ほどかけて育ててきた。児童は甘いトウモロコシの見分け方や収穫の仕方を教わり、1人2本ずつ収穫した。たわわに実ったトウモロコシの中から大物を探して楽しんだり、簡単にもぎ取れることに驚いたりしていた。
「毎年子どもたちの笑顔を見ると、やめられなかった」と森田さん。洋子さんは歴代の児童たちから贈られた感謝の手紙を紹介しながら「子どもたちの笑顔や手紙はお金では買えない大切なもの」と目を潤ませた。
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