北上市立大の設置計画、来年6月ごろ可否判断 市民に賛否

 北上市は28日、市立大学の設置計画について、来年6月ごろに可否を判断する方針を示した。設置する場合は、基本計画の策定と併せて学長候補の選定に着手する。現時点で市民の賛否は分かれており、7月から全16地区で市政座談会を開き、必要性を周知する。順調に進めば文部科学省への認可申請を経て、2030年4月の開学を想定する。

 市は高校生の進路希望や企業の人材需要の分析に関する23年度基本調査を民間会社に委託。工学系の1学部1学科を市の中心部に設置することで80~120人の入学者が見込まれ、採算が取れる―と示されたことで設置計画が本格化した。

 キオクシア岩手など産業集積が進む一方で人手不足が続く同市をけん引する人材育成や、若年層の流出抑制、にぎわい創出の効果が見込まれるほか、県南から宮城県北は理工学を学ぶ大学がなく、進学先の受け皿にもなると説明。ハード面の設置費用は最大99億円で、うち20億円は国の補助を活用できると想定する。

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