FGT再検証すべき 共同通信・大塚氏が講演 長崎新聞政経懇話会2月例会

「視界不良の九州新幹線長崎ルート」と題して講演する大塚氏=長崎新聞文化ホール・アストピア

 長崎新聞政経懇話会2月例会は20日、長崎市茂里町の長崎新聞文化ホール・アストピアで開き、共同通信社福岡支社編集部次長の大塚圭一郎氏が「視界不良の九州新幹線長崎ルート 対立の背景と、将来の展望を探る」と題して講演。未着工区間の新鳥栖-武雄温泉の整備法式を巡り、国が導入を断念したフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を「本当にできないのかもう1回検証していくべきだ」と指摘した。
 国土交通省は、フル規格が前提の協議には応じないとする佐賀県に譲歩する形で、ミニ新幹線やFGTも含め五つの整備法式で協議することを提案している。
 大塚氏は膠着(こうちゃく)状態の現状について「悪いのは与党検討委員会。十分な説明もなくフル規格という方向に持って行ったので佐賀県とのボタンの掛け違いが起きている」との見方を示した。
 「可能であれば元々のFGTに戻れば問題は結構簡単に解決できる」と述べ、技術的な課題はあるが「できれば海外にも技術を売り込め、佐世保にも新幹線が乗り入れられる」とした。北陸新幹線・敦賀-大阪に活用できると利点を挙げた。
 フル規格については、佐賀県の負担を軽減する法改正も国交省は検討するとしているが、「受益者負担となると長崎県もその分払うことになる。簡単にはいかない」との見方を示した。
 佐世保会場は21日午前11時半から佐世保市常盤町の富士国際ホテルで開く。

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