調理台にはフライパンとまな板と、そしてカメラ。「皆さん、アンニョンハセヨ!」。チマ・チョゴリ風のエプロン姿で呼び掛け、月1度の韓国料理のリモート教室が始まった。
韓国・釜山市出身。ホームステイで人の温かさに引かれ、韓国の大学を卒業後に日本の大学に留学。企業で通訳や翻訳を担当した。
「人と人をつなぐ仕事がしたい」と3年前に佐世保市の国際交流員に着任。書類の翻訳から出前講座まで業務はさまざま。日韓の子どもたちが心を通わせたり、市民が交流を楽しんだりする姿が喜びだった。
コロナ禍で多くの交流事業は中止に。「ここにいていいのか」。一時は落ち込んだが、韓国料理の作り方をビデオ会議システムで配信する企画を考えた。「日常は大きく変わってしまったけれど、食べたことがない料理を楽しむ時間があれば…」と6月に始めた。
チヂミやホットサンドなど身近な食材で作れるレシピにこだわる。料理にまつわる韓国語も紹介。「初回から参加してくれる人もいる」と笑みをこぼす。
教室は来年3月まで。「できることを続けたい」。国際交流の歩みは止めない。
「つなぐ仕事」続けたい 韓国料理のリモート教室開催 李城姫さん
- Published
- 2020/12/06 13:00 (JST)
© 株式会社長崎新聞社