長崎県漁連が元部長提訴 架空仕入れで金銭授受

 架空の仕入れにより損害を受けたとして、長崎県漁連が元部長の30代男性に約4500万円の賠償を求める訴訟を長崎地裁に起こしたことが8日、分かった。
 訴状によると、男性は漁業者向けのエサとなる魚を取り扱う競りを担当。実際は取引がないにもかかわらず、業者からサバやブリなどを仕入れたかのように見せ掛け、経理担当職員を通じて業者に送金していた。計約4700万円の損害を発生させたという。
 男性は架空仕入れの相手先となった業者の担当者に依頼し、虚偽の請求書を発行させていた。架空仕入れで得た金銭を関与した人物と分け合ったとみられる。
 不正の疑いがあるという情報を得た県漁連は昨年6月、男性に聞き取り調査を実施。男性は架空仕入れを認めた。同8月、男性は懲戒解雇された。男性の身元保証人が計175万円の解決金を支払ったが、男性との交渉では解決に至らず提訴に踏み切ったという。

 


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