五島でかんころ餅作り 「焦げ目付けるとおいしい」

干したサツマイモやもち米を一緒に蒸した後、細長く成形する女性たち=五島市

 五島市では年末になると、各家庭で特産のかんころ餅を作り、近所の人や親戚、島外の子らに贈る風習が残る。
 小泊町の平田耕一さん(80)宅には24日早朝から、親戚や近隣住民が集まった。平田さんが今年収穫したサツマイモを薄く切って干した「かんころ」を、もち米と一緒に蒸し、独自の配合で砂糖や塩、ごまを投入。機械で練り合わせ、女性陣が300グラムずつ細長く成形した。今年は150個ほど作るという。
 作業を手伝った耕一さんの義弟、平田俊治さん(63)は「かんころ餅は昔から年末のごちそうで、これがないと年が越せない。軽く焼いて焦げ目を付けるとおいしい」と顔をほころばせた。

© 株式会社長崎新聞社