「デミー&マリー」と長崎街歩き 防災や歴史、高校生学ぶ

眼鏡橋の前で、出水さん(右)の解説に耳を傾ける参加者=長崎市栄町

 土木と観光の専門家でつくるユニット「デミー&マリー」が主催する街歩きイベント「長崎さんぽみち」が27日、長崎市内であった。参加した高校生は、中島川沿いを歩きながら防災や歴史などについての解説を聞き、理解を深めた。
 イベントを開いたのは、デミーこと長崎大大学院工学研究科職員の出水享さん(41)と、マリーこと県観光振興課職員の岡村真理さん(41)。歴史や文化、防災など、さまざまな切り口で長崎の街を紹介したい、と昨年初めてイベントを開いた。2回目となる今回は県立長崎東高の1、2年生7人が参加した。
 一行は出島表門橋をスタート。工学博士の出水さんは途中、川に架かる橋の構造や氾濫を防ぐための川の仕組みなどについて解説した。一方、観光情報発信の業務を担い、学芸員の資格も持つ岡村さんは、中島川の石橋群の歴史や由来などについて紹介。松森天満宮(上西山町)まで歩いた。
 高校で防災について学んでいるという同校1年の松尾優花さん(16)は「川幅を広げていないなど、昔からの街並みを残したまま災害対策がされていることを知った。現地を見て防災と町づくりを両立するための工夫がされていると感じた」と話した。
 2人は今後も定期的にイベントを開く予定。出水さんは高校生に対し「調べるだけでなく、誰かに自分の考えを伝えてほしい」と呼び掛けた。岡村さんは取材に「未来をつくる子どもたちのために、自分で考えてもらえるよう一方通行ではない企画をしていきたい」と語った。

イベントを開いた「デミー&マリー」こと、出水さん(右)と岡村さん=長崎市、松森天満宮

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