火災、過去最少60件 県央消防本部管内 2020年統計 救急は6年連続1万人超

県央消防本部管内の火災発生、救急出場件数の推移

 県央地域広域市町村圏組合消防本部(城下和美消防長)は2020年の火災、救急などの概況をまとめた。管内(諫早、大村両市と雲仙市の国見、瑞穂両町を除く地域)で発生した火災は60件(前年比18件減)で、同本部が発足した1972年以降、過去最少だった。救急出場は1万89件(同1234件減)。6年連続で1万人を超えた。
 火災の内訳は建物が51.7%の31件で最多。たき火などの「その他」21件、車両と林野が各4件。出火原因別では、たき火13件、たばこ8件、こんろ、電気機器、配線器具が各4件、火入れ3件だった。地域別では諫早34件、大村16件、小浜10件。火災による死者は2人(同3人減)。
 救急出場は諫早5263件、大村3535件、雲仙1286件。内訳は急病5991件、転院搬送1601件、一般負傷1493件、その他が1004件。
 搬送人員総数は9542人(同1192人減)。医師等同乗救急自動車(EMTAC)の出場は41件(同5件減)。救助出場は144件(同10件増)、救助人員は86人(同18人増)だった。
 火災が過去最少を記録した要因について、同本部は「新型コロナウイルス感染の影響で“ステイホーム”が増えた一方、火の取り扱いに注意を払っていたのではないか。住宅用火災報知機の普及も考えられる」と説明。救急出場が前年より約10%減少した点について「コロナ禍で外出機会が減ったり、感染予防策を徹底したことで病気のリスクが下がったりしたのだろう」とした。

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