美術の授業 オンラインで 県美と結び絵画鑑賞

タブレット端末を使って県美術館所蔵の絵画を鑑賞する児童ら=長崎市立大浦小

 長崎市出島町の県美術館と同市上田町の市立大浦小(山本高靖校長、406人)は4日、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使用したオンライン授業を実施。5年生(2クラス)約60人が大浦地区周辺が描かれた絵画などをテレビやタブレット端末の画面で鑑賞し、芸術や郷土について理解を深めた。
 同館は、教育普及事業の一環として学校や幼稚園などを対象に館内で作品鑑賞をしたり、さまざまな表現体験をしたりする「スクールプログラム」を展開しているが、本年度は新型コロナウイルス禍で利用団体が減少。このため、離島を中心に遠隔地の学校で実施してきたオンライン授業を長崎市や近郊の学校などにも導入することを決めた。
 同日は、クラスごとに同授業を実施。5年1組の児童32人は、戦前から戦後にかけて長崎で活躍した商業デザイナー、中山文孝の絵画「長崎港の図」と長崎ゆかりの洋画家、鈴木信太郎の油彩画「長崎の丘」を同館学芸員の解説を聞きながら鑑賞。「大浦天主堂が見える」「立体感がある」などと児童が作品の印象などを発表した。その後、5、6人の班で、グラバー園やオランダ坂、長崎港など大浦地区周辺が描かれた同館所蔵作品16点の画像の縮小印刷紙を切り貼りするなどして同校周辺地図も制作した。
 林心胤(みづき)さん(11)は「絵画を通して長崎や大浦の街の美しさが分かった。オンラインも分かりやすかったが、今度は美術館に行って作品を見てみたい」と話した。

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