コロナ特別警戒警報延長 「感染予防の徹底を」長崎、佐世保市長

 「感染者の減少傾向を定着させないといけない」。新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、長崎県の特別警戒警報が延長された長崎市と佐世保市。両市長は5日にそれぞれ記者会見し、21日まで市民に不要不急の外出自粛など感染予防の徹底を呼び掛けた。
 長崎医療圏の専用病床占有率は1月中旬に90%近くまで高まり危機的だったが、直近で30%台まで下がった。長崎市への県独自の緊急事態宣言は解除されるが特別警戒警報は続く。田上富久市長は「大きなクラスター(感染者集団)が一つ、二つあればまた逼迫(ひっぱく)する。市民にもうひと踏ん張りお願いしたい」と語った。
 重症化が懸念され、入院者も多い高齢者のクラスター防止が「至上命題」と強調。既に休館している老人福祉施設や公民館などの休館も21日まで延長する。
 一方、佐世保市は1月中旬に独自の「医療緊急事態宣言」を発出し、市民に感染対策の徹底を訴えたが、高齢者福祉施設などで3件のクラスターが発生した。佐世保県北医療圏の専用病床占有率は60%超が続いた。
 朝長則男市長は「医療環境は厳しい」として同宣言を継続すると発表。通所介護(デイサービス)を手掛ける施設や障害者の入所施設など計146施設の従業員に定期的なPCR検査を実施する方針も示した。
 県民からは改めて気を引き締める声が聞かれた。長崎市の主婦、松島住子さん(74)は「また感染が広がらないか不安はある。これまで通りマスクや手洗いを徹底したい」と話した。
 一方、県民の離島との往来自粛は解除される。五島市小泊町の自営業、桑村敏治さん(70)は「不安だが島内経済を考えればしょうがない。島に来る人は船か飛行機を使う」として、水際対策の強化を求めた。


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