横浜・林市長「近隣への波及効果も」 特別自治市でオンラインシンポ

オンラインのシンポジウムで、特別自治市の早期実現を訴える林横浜市長

 特別自治市の実現に向け、全国20の政令指定都市でつくる指定都市市長会は2日、シンポジウム「なぜ大都市制度改革が必要か」をオンラインで開催した。参加した首長からは、新型コロナウイルス感染症対策を強化し、地域経済を活性化させるためにも、特別自治市の法制化が必要との意見が相次いだ。

 パネル討論では、久元喜造神戸市長が、国から道府県に交付された新型コロナの緊急包括支援交付金が配分されるまで、数カ月かかったと指摘。「政令市に任せたら1カ月で済む。コロナ禍で二重行政の弊害が顕著になっている」と述べ、現行制度の改正が必要だと訴えた。

 鈴木康友浜松市長は、政令市が道府県から独立する特別自治市制度の成立に向けて中核市も含めた運動に発展させたいとの認識を示した上で、「都道府県は何の合理性もない。基礎自治体が自立すれば府県の役割がなくなる。併せて道州制に向けて取り組みたい」と意気込みを述べた。

 同会会長の林文子横浜市長は、特別自治市として権限と財源を持つことで「周辺地域も活性化され、近隣自治体への波及効果も期待できる」と強調。「政令市の独り勝ちになるのでは」との懸念の声があることに対しては、経済面や災害対応など多岐にわたる分野で周辺自治体や国と総合的に結びついているため、指摘は当たらないと主張した。

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