東日本大震災10年 長崎県5市町に59人が避難

 11日で発生から10年となる東日本大震災の影響で、被災地から長崎県に避難してきて現在も居住しているのは59人(2月8日現在)だと県が10日までに明らかにした。ピーク時の2011年から3分の1以下に減っている。
 県によると、長崎県への避難者の大半は、被害の大きかった宮城、岩手、福島の東北3県からで、59人の半数は福島から。知人らを頼りに避難してきた人など県が把握できていないケースもあるという。被災県からの「支援情報」は受け入れ先の自治体を通じて避難者に届けられている。
 県内の避難先は5市町。最多は佐世保市の30人で、長崎市15人、大村市9人、諫早市3人、新上五島町2人と続く。公営住宅や賃貸住宅に入居しているのは35人、親族や知人宅で暮らすのは24人だった。
 長崎県への避難者は11年11月の187人が最多。17年11月に約半数の91人となり、19年3月以降は60人台で推移している。
 避難者数は復興庁の調査として県が毎月集計。総務省の「全国避難者情報システム」に任意で登録している人のほか、県内自治体に転入時に避難者として手続きをした人を「避難者」としている。世帯数や帰還の意思などは調査していない。
 一方、県内の各自治体は地震発生後から被災地に職員を派遣。現地の要望を受け、罹災(りさい)証明書の発行業務や避難所の運営、下水道といったインフラの復旧工事など各種支援に当たってきた。10年経過しても支援は続き、3月1日現在、県が2人、長崎市が2人、島原市が1人を派遣している。
 島原市は13年度から毎年、宮城県山元町に1人を派遣。現在は税務課で町民税の徴収などに従事しているという。同市は「雲仙・普賢岳噴火災害の際には全国から多大なるご支援を受けた。恩返しの思いで今後もできる限りの復興支援を続けていきたい」としている。

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