神奈川の公立高入試で採点ミス 合否には影響なし

 神奈川県教育委員会は18日、2月に行われた2021年度県内公立高校入学者共通選抜で全日制7校の受験生8人に採点ミスがあったと発表した。合否結果への影響はなかった。さらに過去2年間で計3校4人の採点ミスも判明。原因を検証し改善策を実施する。

 21年度選抜で採点を誤ったのは県立6校と横浜市立1校。県教委が3月、答案を抽出再点検したところ記述式問題の採点ミスが判明した。

 記述式問題は、一つの答案を異なる採点者が2系統で行い、照合していた。しかし、両系統の採点に違いがあったにもかかわらず照合時に見過ごしたのが原因で、最大で6点が減点されていた。合否判定の分岐点付近ではなく結果に影響はなかったという。

 在籍する1.2年生が受験した過去2年間の記述式問題も再点検したところ、それぞれ2人の採点で同様のミスが判明した。いずれも合否結果への影響はなかったという。

 18日に記者会見した県教委の岡野親・教育監は「入学者選抜は公正、厳正に行わなければならない。採点を誤り、信頼を大きく損ねる結果となり、誠に申し訳なく大変重く受け止めている」と陳謝した。

 県内公立高校入学者選抜では、15、16年度の2カ年で8割近くの学校で採点などのミスがあり4人の合否結果を誤った経緯がある。再発防止策として17年度から、記述式問題は2系統で採点し点検、照合する仕組みなどでチェックしていた。今後、2系統の採点結果を別々にデータ入力し、結果の照合をパソコン上で確認するなど作業手順の改善策を実施する方針だ。

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