木工家と画家の親子による企画展「二人展Ⅱ」 横浜高島屋

安藤ニキさん(左)と安藤和夫さん=横浜高島屋

 神奈川県小田原市在住で木工家の安藤和夫さん(68)と娘で画家のニキさん(37)による「二人展Ⅱ」が17日、横浜駅西口の横浜高島屋・美術画廊で始まった。創作に真摯(しんし)に向き合う2人の響き合いを堪能できる。

 和夫さんが手掛けたテーブルや椅子、厨子(ずし)などの創作家具16点と、動植物をモチーフに心象風景を描いたニキさんのアクリル画やペン画など約40点が並ぶ。

 親子の作品は、平和への祈りといった深い精神性が共通している。

 何百年も地中に埋まっていた神代(じんだい)ニレなどを使い、木材そのものの味わいを大切にする和夫さん。「それがあることで住まいの空気感が変わるような作品を作りたい」と言う。

 鮮やかな青色が印象的なニキさんの新作「生誕地」は、チョウやガの一群が、上空の光へと飛んでいく姿が幻想的に描かれている。

 いなくなった人への追悼を創作のテーマに掲げているニキさん。「チョウやガは、ここにいない誰かのシンボルとして描いた。絵を見る一人一人の喪失体験と響き合うことができたらうれしい」と話した。

 「二人展Ⅱ」は、23日まで。入場無料。

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