核禁条約発効記念 日本政府に批准求め歌の集い 長崎・平和公園

歌で平和を訴える参加者=長崎市、平和公園

 1月の核兵器禁止条約発効を記念する歌の集いが3日、長崎市松山町の平和公園であった。参加者は平和祈念像前で、核兵器のない世界への一歩を踏み出した喜びを分かち合い、核廃絶を進めるため日本政府に条約の批准を求めた。
 六つの市民合唱団や個人で構成し、歌で平和の尊さを訴える「長崎のうたごえ協議会」主催。約30人が参加した。車いすの語り部として核廃絶を訴え続けた故渡辺千恵子さんの半生を描いた組曲「平和の旅へ」の一部など計9曲を披露。長崎原爆がさく裂した午前11時2分に黙とうした。
 爆心地から3.4キロの飽の浦町で被爆した溝浦勝さん(80)は「(条約発効は)核兵器をなくしていく新たな出発点で後半戦」と強調。後半戦の「突破口」として「原爆の非人道的な被害を知る日本国民の政府が条約を批准し、核兵器廃絶の先頭に立つように働きかけていくことだ」と呼び掛けた。
 核兵器の開発や使用などを全面的に禁じる条約は、1月22日に発効。現在54カ国・地域が批准している。米国の「核の傘」に頼る日本は批准していない。

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