ヤクルト3位浮上でも安心できない「昨年、大転落」の悪夢

プロ初勝利の金久保(左)と高津監督

まだ安心はしていられない。ヤクルトは14日のDeNA戦(神宮)に7―3で逆転勝ち。先発の金久保優斗(21)が6回途中3失点の粘投でプロ初勝利を挙げた。打線も11安打と活発で、今季初の貯金1で3位に浮上した。

降雨による計1時間3分に及ぶ2度の中断にも動じなかった4年目右腕に、高津監督は「負担をかけてしまって申し訳ない。初勝利できて、次また頑張ってくれるんじゃないかなと思います。僕もうれしいです」と声を弾ませた。

新型コロナウイルスの陽性判定を受けた西田の濃厚接触者に認定されて2週間の自宅待機をしていた青木、内川、川端の3選手がこの日から二軍戦に復帰した。主力を欠き、若手中心での戦いを余儀なくされていたが、ここまで善戦してきた。

それでも決して楽観視はできない。あるチーム関係者は「昨年も開幕直後はともかく、シーズン序盤は調子が良くて順位も悪くなかった。でも、そこからどんどん順位を落として結果、最下位だったからね」と厳しい表情で昨年を振り返る。

実際、3か月遅れで6月に開幕した昨年は7月12日には首位に立った。しかし、8月下旬から最下位に定着し、一度もAクラスに浮上することなく借金28で5位・広島と12ゲーム差でシーズンを終えた。

それだけに警戒感は緩めていないという。昨年まで2年連続最下位。今季はまずまずの位置につけているが、高津監督も「しっかり足元を見つめてやっていきます」と勝ってかぶとの緒を締めている。

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