急成長の中日・根尾が歩む「首位打者」への道 月間打率4割超に立浪氏も期待

7回一死、バットを折りながら右前打を放つ根尾

いよいよ覚醒か。中日・根尾昂内野手(21)が急成長中だ。9日の広島戦(バンテリン)では3打数2安打で2戦連続のマルチ安打を記録。3月30日の時点で7分7厘まで落ち込んでいた打率を2割1分7厘まで上げてきた。

開幕当初は甘い球を一振りで仕留められなかったが、5月に入って17打数7安打、1本塁打、4打点で月間打率4割1分2厘と絶好調モードに突入。これには与田監督も「どんどん状態は上がってきている」とニンマリしている。

根尾は「抜けてきている球を合わせずに振り切れたのが良かったと思います。もっと完璧に捉えられるように次は頑張ります」と打撃内容を謙虚に振り返ったが、実はプロ野球選手として成し遂げたい大きな夢を持っている。首位打者になることだ。2日に放送されたドラゴンズ応援番組「サンデードラゴンズ」(CBCテレビ)の中で先輩の大島が「本人(根尾)は『首位打者を取りたいです』と言っていたので福留さんみたいに長打も打率も残せるバッターになってくれたらいいなと思っています」と明かしたのだ。

中日で首位打者に輝いたのは過去7人。現役では福留(2002、06年)とビシエド(18年)の2人で最多安打のタイトルを2度獲得している大島ですら一度も首位打者にはなっていない。それでもチーム事情をよく知る関係者からは「根尾は今すごい勢いで成長している。このまま経験を積んでいけばドラゴンズを背負って立つ選手になると思う。毎年、首位打者争いをするぐらいの選手になってほしいよね」と期待する声が上がっている。

8日の広島戦のテレビ中継では、今春キャンプで臨時コーチを務めた立浪和義氏(51)が「スイングはすばらしい。あとは(ボールを)迎え入れるまでの形。そこが安定すればもっと打てる」と根尾への期待感を口にした。将来、大島と根尾が首位打者争いを繰り広げられるようになれば、中日が貧打で悩むこともなくなりそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社