【高校発みやざきSDGs】ー15ー高鍋(下) 20年後の将来像想像

「未来新聞」の最終発表会ですべての班の未来新聞が掲示された

 本校は普通科、生活文化科、探究科学科の3学科編成の学校である。探究科学科の活動以外に、昨年度は普通、生活文化科の1年生合同の総合的な探究の時間の中で、「未来新聞」作成に取り組んだ。都農、川南、高鍋、木城、新富町の5町を「取材」をし、現状を理解した上で20年後を想定した新聞を作成するという活動である。
 5町の「福祉」「地域活性化」「農業」「防災」「産業」の具体的な取り組みを知ることで、20年後の将来像を想像(=創造)し、そのために今必要な課題を考える。この過程を経て初めて、彼らの「未来新聞」が完成する。生徒同士で取材した内容を持ち寄り、そこで描かれる未来像について意見を出し合う姿は、居住地域や現在という「今」の時空を超えた新しい形の課題解決学習と言えるだろう。
 本校は、来年100周年を迎える。70数年前、文化祭の中で発表されたという校歌には、「真如(しんにょ)の眼(まなこ) 開かなん」とある。混沌(こんとん)とした時代であっても真理を見つめる人間であってほしい、という先輩方の願いである。生徒たちはSDGsを契機とした教育活動を通して、「真如の眼」を獲得し、実際の20年後、地域に貢献できる人材になることを大いに期待したい。
 (指導教諭・三浦章子)

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