最難関の簿記検定に2人合格 佐世保商高 今春の卒業生

「将来は大手企業の会計監査をしてみたい」と話す吉野さん(朝日大提供)(写真左)、「『嬉しい』と思う前に驚いた」と合格の感想を語る松山さん

 長崎県立佐世保商業高(佐世保市吉岡町)を今春卒業した吉野寿美礼さん(18)と松山愛菜さん(18)が最難関とされる簿記の検定試験にそれぞれ合格した。「まさか合格するなんて」と語る2人は、4月から将来の夢に向けて新天地で努力を重ねている。
 検定試験は、日本商工会議所主催の簿記検定1級と全国経理教育協会主催の簿記能力検定上級。吉野さんは両方に、松山さんは簿記能力検定上級に合格した。二つの検定は公認会計士・税理士試験の登竜門とされ、合格者は税理士試験の受験資格が得られる。2人は、平日に加え土曜日も勉強に励み、今年2月にあった試験で合格を果たした。
 「小さいころから数字を扱う勉強が好きだった」という吉野さん。授業と合わせ1年の時から同高の「簿記電卓部」に所属し学んできた。間違えた問題を反復して学習し、弱点を克服した。
 松山さんは「人の役に立ち、数字を扱う仕事がしたい」と税理士を志望し、同高に進学。3年の6月までは裁縫や調理に取り組む「家庭部」に所属し、引退後から本格的な勉強をスタートさせたという。「人より遅れている」という思いもあったものの「(家庭部で培った)細かな所に気を配る強みが簿記の勉強に生きた」と振り返る。
 吉野さんは公認会計士を目指し岐阜県の大学、松山さんは税理士を目指し広島県の専門学校にそれぞれ進学。吉野さんは「大手企業の会計監査をしたい」、松山さんは「税理士事務所に所属してキャリアを積みたい」と抱負を語っている。


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