国内初採用 チタン製根巻金物に 日本製鉄直江津 メイド・イン上越 「トランティクシー」

 日本製鉄(本社・東京都)は24日、同社製の意匠性チタンでメイド・イン上越工業製品に認証されている「TranTixxii(トランティクシー)」が、国内で初めて社寺建築金物の一つ「根巻金物(ねまきかなもの)」に採用されたと発表した。トランティクシーの製造では、東日本製鉄所直江津地区(上越市港町2)が大きな役割を果たしている。

 根巻金物が採用されたのは、広島県福山市の正善寺。本堂の新築に際し採用された。根巻金物は木柱の腐食を防ぐため、その根元を覆う金物のこと。神社仏閣などの建築で用いられ、その格調を高める効果もある。採用された根巻金物は、トランティクシーを黒色に表面処理した「ベース板」と金色の龍飾り。トランティクシーは直江津地区と九州製鉄所八幡地区光チタン(山口県光市)で生産、表面処理と龍飾りは東洋ステンレス研磨工業(福岡県太宰府市)で手掛けた。

トランティクシーが採用された根巻金物(広島県福山市の正善寺、日本製鉄提供)

 根巻金物は銅製、または銅に金めっきや金箔装飾を施したものが一般的だが、日本製鉄によると、チタン製はそれらに比べ耐食性に優れ、さびによる周辺の汚れの心配もない。同社は「パートナー企業と協働し、次世代へ継承可能なチタン製装飾金物を開発・改良していく」としている。

トランティクシーで作られた龍飾り(日本製鉄提供)

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