江戸情緒伝える浮世絵60点展示 30日まで 松浦

松浦市内の旧家に伝わる浮世絵に見入る市民=松浦市生涯学習センター

 長崎県松浦市今福町の旧家に残る浮世絵を展示した「江戸土産 浮世絵展」(市史談会、佐世保古文書解読研究会主催)が同市志佐町の市生涯学習センター2階ギャラリーで開かれている。30日まで。
 浮世絵は今福一帯の領主で江戸幕府の旗本だった今福松浦家に仕えた小畑家に伝わる。小畑家の先祖が江戸での勤務や殿様の用事で今福と江戸を往復する際に土産品として持ち帰ったらしい。
 実物は貴重なため展示はレプリカで、江戸後期から明治初期にかけての約60点。「東海道五十三次」を描いた歌川広重が属した歌川派の作品が多く、忠臣蔵や源平合戦などの武者絵、花鳥画、役者絵、名所風景図などが精緻で色鮮やかに描かれている。
 浮世絵を所蔵する小畑家12代目の久之さん(64)は「屋根裏の長持や柳ごうりの中に大切にしまってあった。江戸時代の風俗や流行を今に伝える浮世絵を多くの人に見てほしい」と話した。

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