1月前半の記録的降雪 上越地域で被害集中 令和2年度県内雪被害 死傷者364人、建物526棟 新潟県

 県がまとめた今冬(令和2年度)の雪による被害状況の最終報によると、26日午前9時時点の人的被害は364人、住家被害は310棟、非住家被害は公共建物1棟、その他215棟。平成23年度の豪雪被害に次ぐか、それを上回るなど過去10年でも特に大きな被害となった。

 人的被害の内訳は死者21人、重傷者147人、軽傷者196人。住家被害の内訳は全壊4棟、半壊5棟、一部破損295棟、床上浸水2棟、床下浸水4棟。平成23年度の豪雪被害に比べ重傷者と住家被害、特に一部破損で被害数が上回った。

 人的被害の原因別では、雪下ろし中など除雪作業が240人、除雪機事故が45人、屋根雪落下などが22人、側溝などへの転落が14人、雪崩などが1人、その他(疾患発症含む)が42人。原因の大半で65歳以上の高齢者が半分以上を占めた。

◇人的被害60人、県内2番目 上越市

 1月前半に記録的な降雪が続いた上越地域で、被害が集中した。上越市の人的被害は県内2番目の60人。死者5人は最多、重傷者21人と軽傷者34人はともに2番目。妙高市は死者2人、重傷者6人、軽傷者8人。糸魚川市は死者1人、重傷者2人、軽傷者6人。

 住家被害も極端に多く、上越市だけで全体の半分を占める157棟、このうち153棟が一部破損。糸魚川市は2番目に多い44棟で、ほとんどが一部破損だった。妙高市の被害は5棟。

記録的な豪雪となった今冬。上越地域では建物全半壊など、被害が集中した(1月12日、上越市東本町3)

◇農林水産施設被害は広範囲

 大雪による影響は農業にも広く及んだ。上越市では農業施設の被害が350棟、このうち300棟近くをパイプハウスなどの全壊、損傷が占め、果樹棚損傷は現在も調査中。また、共同利用施設被害は23棟で県内最多。キノコ栽培施設や林業への被害もあった。

 糸魚川市ではパイプハウスの他、鶏舎の全壊で採卵鶏800羽が廃棄となるなど93棟の被害が発生。農作物への被害では被害面積2・9ヘクタールのうち、ブドウが2・5ヘクタールで、ブドウ単体の被害では県内最多だった。また、水産業関係施設への被害も確認された。

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