コロナ禍で孤立する女性支援へ 大村市が補正予算案

 長崎県大村市は2日、10日開会予定の定例市議会に提出する総額27億6800万円の本年度一般会計補正予算案など26件を発表した。補正予算案には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で孤独や不安を感じている女性らが集まり、悩みや思いなどを語り合う場を提供する男女共同参画推進事業に580万円を盛り込んだ。
 市によると、同事業は同じ境遇の仲間が語り合うことで互いを支える「ピアサポート」の場を提供。月1回の開催を予定しており、各支援機関の紹介や、金銭的な理由で生理用品を買えない「生理の貧困」に悩む女性の支援にもつなげたいとしている。
 事業費は国の「地域女性活躍推進交付金」を活用し、運営は民間団体に委託。補正予算案の可決などを経て、夏ごろの事業開始を目指す。同様の事業に取り組むのは県内の自治体では大村市が初めてという。
 市男女共同参画推進センターによると、DVや夫婦間の問題など同センターに昨年度寄せられた相談件数は239件で、前年度の143件から大きく増加。市の担当者は「新型コロナで外出が難しくなったことも背景にあるのでは。センターなどの相談窓口に行くのはハードルが高いと感じている女性が気軽に立ち寄り、話ができる場になれば」としている。
 このほか補正予算案には、4月に市環境センターで発生した火災に関連し、焼却炉の復旧や他施設でのごみ処理にかかる経費として計9億8500万円を計上。補正後の一般会計総額は464億6800万円で、前年同期比12.3%の減。
 内閣府が示した押印見直しマニュアルに基づき、行政手続きでの署名や押印を廃止する3件の条例議案も提出する。

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