噴火災害への思いを作文で発表 実相や教訓学ぶ 島原・第五小 雲仙・普賢岳大火砕流から30年

噴火災害への思いを作文で発表する児童=島原市大下町、市立第五小

 長崎県島原市内の小中学校でも、雲仙・普賢岳噴火災害の実相や教訓を学ぶ集会などが開かれた。このうち、火砕流や土石流で大きな被害を受けた安中地区にある市立第五小(野中邦明校長、332人)では、4年生の代表4人が噴火災害への思いを作文で全校児童に発表し、継承と防災への決意を新たにした。
 新型コロナウイルス感染防止のため、昨年に続いてオンラインで開いた。多くの犠牲者を出した噴火災害について、諸田夢空(ゆあ)さん(9)は「街の人たちはつらい中でも立ち上がった。(その)努力のおかげで今の島原がある」と発表。園田煌芽(こうが)君(9)は「火砕流に巻き込まれた人はすごく熱くて、つらかったと思う。30年がたち山にも緑が増えた。(これからも)命を大切に守っていきたい」と語った。
 大火砕流当時、市立第二小の教諭だった永石一成さん(66)が、自らの噴火災害体験をテーマに制作した絵本「ごめんねラッキー」をスライドで示しながら朗読した。帰宅途中、運転していた車のフロントガラスに降り積もった火山灰でワイパーが動かなくなり、「車内も心も真っ暗になった」と説明。「(災害を)自分の子どもたちにも伝えていってほしい」と語り掛けた。

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