開幕まで残り50日を切った東京五輪を巡り、各自治体で行われる予定の事前キャンプが続々と中止になっている。
福島・いわき市で7人制ラグビーと重量挙げの代表選手が事前キャンプを行う予定だったサモアは駐日大使館を通して中止を発表。同市の担当者によると「直前まで意欲を示していた」というが、急転直下の決断となった。
南太平洋の島国でもあるサモアはコロナ感染者が極端に少ない。サモア選手団と連携する同市関係者によると「これまで陽性者は3人と聞きます。重量挙げの選手は国内でずっと練習を積んできました」というが、事前キャンプを中止にした理由はコロナのリスクではないという。
「政府が示した感染対策の制約に課題があるという理由でした。PCR検査を毎日実施したり、外出できないという状況で、精神的な部分も含めて判断したのでしょう」(同市担当者)
ラグビーの代表選手のほとんどは選手はプロリーグのヨーロッパを転戦しているため「感染を用心しながらやってきているので、コロナを怖がっていることはないと思います」(同)と話している。
各国・地域のオリンピック委員会(NOC)の中には「新型コロナウイルス感染拡大のリスク」を考慮して事前キャンプを辞退するケースもあるが、選手団にとっては厳しい制約も大きな重荷になっているようだ。