上野動物園のパンダ・シンシンに妊娠兆候 シャンシャンの”日本永住権”に影響が…

上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」

東京・台東区の上野動物園は4日、新型コロナ禍でストップしていた営業を約5か月ぶりに再開。さらに雌のジャイアントパンダ「シンシン」が妊娠した可能性があると発表した。

上野動物園によると今年3月、飼育している雄のジャイアントパンダ「リーリー」と雌の「シンシン」(ともに15歳)の交尾を確認。先月下旬から「シンシン」に妊娠の兆候が見られたため、ホルモン値を検査した結果、妊娠の可能性があると判断した。もし妊娠・出産となれば、2017年6月12日に誕生した雌の「シャンシャン」以来、4年ぶりの快挙だ。

うれしい知らせに上野観光連盟の二木忠男会長は、「偽妊娠もあるからまだまだこれからだが、ジャイアントパンダの妊娠期間はだいたい90~120日。このままいくと、出産はちょうど東京五輪にぶつかる。新型コロナで大変だけど、何とか盛り上げていきたい」。

また12日はシャンシャンの4歳の誕生日のため、10~13日にJR上野駅でパネル展示やグッズ販売を行い、機運を高めていくという。

そうしたなか2度にわたって延期されているシャンシャンの中国返還時期について、気になる情報が浮上。ある関係者がこう明かした。

「シャンシャンの返還時期は今年いっぱいとなっているが、ずっと上野動物園にいてもらえないか模索してきた。そんななかシンシンに妊娠の可能性が浮上。もし無事に出産すれば、今後もシャンシャンを上野動物園で飼育し続ける交渉は、ボツになると思う」

何とも皮肉な話だが、シンシンが妊娠・出産してシャンシャンの兄弟姉妹が生まれることで、シャンシャンは“日本永住権”を得るチャンスを失う可能性が高いという。

上野動物園では、昨年9月に新パンダ舎が完成した。多頭飼育に向いているというだけに、“お姉さん”のシャンシャンも加えた一家団らんを見たいところだが…。

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