剣道男子団体 長崎南山が17大会ぶりV 全中3位の5人躍動 第73回県高校総合体育大会 第3日

【剣道男子団体決勝、西陵-長崎南山】長崎南山の先鋒池田(右)が面を決める=諫早市小野体育館

 「自分たちが時代を変える」-。掲げてきたスローガンを実現してみせた。2004年から島原と西陵が取り合ってきた剣道男子団体の優勝旗を、17大会ぶりに奪回した長崎南山。18年全国中学大会(全中)で3位入賞した長崎南山中出身のメンバー5人が躍動した。
 白石監督の指導の下、普段から中学と高校が一緒に稽古を重ねる。現3年生が中学1年だった16年、久しぶりに全中に出場。そこから県中総体4連覇などの実績を重ねてきたが、高校では壁を破れずにいた。大将の山中が「先輩たちの悔しい姿をずっと見てきた」と振り返ったように、託された思いは大きくなるばかりだった。
 今季は県内主要大会決勝で島原に惜敗し続けてきた。その悔しさも糧にコロナ禍で対外試合ができなくても、学校内で競い合って力をつけた。
 迎えた本番。準々決勝の大村戦は、勝たないと負ける局面で大将山中が「面を打ってきたところに胴を決めて」勝ち上がった。西陵との決勝は先鋒池田が「今までの大会はチームに迷惑をかけた。きょうは自分を信じて思い切りやった」と胴、面を決めて流れを引き寄せた。1年生の戸田も1本勝ちで続き、中堅冨田悠、副将山口が引き分けて優勝が決まった。
 表彰式の途中、OBでもある白石監督は「ここまで長かったですね」とつぶやき、一呼吸置いて言葉を続けた。「継続して時代をつくれるように頑張らないといけない」。新たな時代の扉を開いたチームが、インターハイで全中の時の3位を超えにいく。

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