高校生平和大使 写真集を自費出版 国内外に活動発信

高校生平和大使の活動を振り返る写真集を自費出版した山口さん(右)ら=長崎市桜町、市職員会館

 高校生平和大使と高校生1万人署名活動実行委員会は、1998年の初代平和大使からこれまでの活動を振り返る写真集を自費出版した。国内外で活動を広く知ってもらおうと、写真を約200枚使い、日英語の説明文を付けた。平和大使は今年のノーベル平和賞に推薦されており、受賞の後押しにするため、ノルウェーのノーベル委員会などに送る。
 題名は「高校生平和大使活動の軌跡」。A4判、75ページ。非売品で3千部発行。署名活動や国際機関の訪問、2014~16年に平和大使が国連軍縮会議で訴えたスピーチの一部を抜粋して掲載。全文はQRコードで閲覧できるようにした。長崎原爆の被爆者、下平作江さんなど4人の被爆者のメッセージや、核兵器禁止条約の前文なども盛り込んだ。
 ノルウェー派遣高校生平和大使を務めた、県内の大学に通う山口雪乃さん(18)と上智大3年の中村涼香さん(20)の2人を中心に制作。19年のノルウェー訪問に合わせ、18年末に同様の冊子を作ったことがあったが、新型コロナ禍でも活動を続ける姿などを発信しようと企画した。前回よりも写真を豊富に使い、わかりやすさに力を入れた。
 昨年11月ごろから歴代の活動写真を集めたり、親交のある被爆者に寄稿を頼んだりして編集作業に取り組み、今年3月ごろに完成。ノーベル委員会に40部郵送するほか、東京の在日ノルウェー大使館にも送る予定。
 8日、長崎市職員会館で記者会見があり、山口さんのほか、本年度中にノルウェーに派遣される予定の堀川彩音さん(17)=長崎東高3年=、寄田愛莉さん(17)=活水高3年=も出席。中村さんはオンラインで加わった。山口さんは「(コロナ禍で)例年通り活動できないが、平和大使の活動を身近に思ってもらう資料にしたい」、寄田さんは「ノーベル平和賞の受賞に向けてのアピールになれば」と期待を込めた。問い合わせは高校生平和大使派遣委員会(電095.822.5253)。

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