ヤンキースのエース・コールが自身の回転数減少について言及

ヤンキースのエース右腕ゲリット・コールは、前回登板(日本時間6月4日のレイズ戦)でボールの回転数が減少していたことをジョシュ・ドナルドソン(ツインズ)に指摘されたことを受け、日本時間6月9日に出席したオンライン会見のなかでこの問題について言及した。「今週に入ってからそのことを知らされた」とコール。「(回転数の減少は)明らかに望ましくないことだ。この話題がみんなにとって重要であることは理解している。彼(=ドナルドソン)にも意見を言う権利がある」と一定の理解を示した。

回転数の細かいデータを扱っている「Baseball Savant」によると、コールが5回5失点で今季3敗目を喫した前回登板のレイズ戦では、1分あたりの回転数がフォーシームは125回転、カーブが78回転、チェンジアップが77回転、スライダーが48回転と主要な4つの持ち球すべてで減少していた。ただし、コールは「ここ数試合は自分のベストな投球ができていないと思っている」と語り、回転数の減少の原因は粘着物質を使用しなくなったことではなく、自身のメカニクスに原因があると考えているようだ。

粘着物質の「スパイダー・タック」を使用したことがあるかを尋ねられたコールは「正直に言って、どのように答えればいいかわからない。先輩から後輩へ、前の世代から現代の世代へ受け継がれてきた慣習ややり方があるからね」と微妙なコメント。その一方で、アーロン・ブーン監督は「ヤンキースのクラブハウスでスパイダー・タックを見たことがない」と断言している。

メジャーリーグ機構は投手の粘着物質使用の取り締まりに関するガイドラインを強化する方針を明らかにしており、今月末には新たなガイドラインが発表される見込みとなっている。日本時間6月10日にドナルドソンが所属するツインズ戦に先発する予定のコールは「僕には(粘着物質の問題以上に)集中しなければならないことがある。今は試合に勝つことが最も大切だ」とコメント。従来通りの快投を見せ、周囲の雑音を一掃することはできるだろうか。

© MLB Advanced Media, LP.