【東京五輪】コロナ対策分科会メンバー「リスクゼロ開催は100%不可能だ」英紙で懸念表明

専門家は東京五輪開催のリスクを指摘している

国際オリンピック委員会(IOC)をはじめ日本政府、東京都、日本オリンピック委員会(JOC)、大会組織委員会がうたい文句としている東京五輪の「安心・安全」は、やはり夢物語のようだ。

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーの押谷仁・東北大教授が、英紙「タイムズ」で東京五輪開催へ強い懸念を表明した。「個人的には五輪を開催することの影響を非常に懸念している。政府やIOCなどの組織は、安全な五輪を開催すると言い続けているが、リスクがあることは誰もが知っている。リスクゼロ開催は100%不可能だ」

さらに「五輪後に日本や他の国で感染症が広がるリスクをゼロにすることも不可能。感染者数が少ない国や、感染者が出ていない国はたくさんあるが、五輪をきっかけに、これらの国にウイルスを広めるべきではない。ワクチンを接種している米国や英国にはあまりリスクはないものの、世界のほとんどの国はワクチンを持っていない」と指摘した。

また「我々は適切なリスクアセスメントを行わなければならないが、どの国からどれだけの人が来くるのか、まだわからないのは問題」と対策を取りようがない現状も指摘。すでに同分科会の尾身茂会長も「今の状況でやるというのは普通はない」などと発言するなど、専門家から中止を求める動きが高まっているが、五輪主催団体幹部に聞く耳を持つ者はいないのだろうか。

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