新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、茅ケ崎市は市内の真空総合メーカー「アルバック」の職場接種と連携し、高齢者の集団接種の実施を検討していることが10日、政府関係者への取材で分かった。
市と地元の企業、医療機関が手を結び、ワクチン接種の加速化を目指す。
企業を会場とした自治体の集団接種は、トヨタ自動車(愛知県)が取り組んでいるほかは全国的にも珍しいという。
職場接種は、医療従事者や会場を自前で確保することが条件で、政府が現在、協力する企業や大学の申請を受け付けている。
早ければ21日にも開始する予定。
アルバックも政府に申し込んだ。同社は21日から平日の週2日実施する予定で、グループ会社を含めた従業員や家族ら計約4千人への接種を見込む。
同市萩園の本社社屋に会場を設け、県内を中心に病院などを展開する「ふれあいグループ」(同市西久保)と連携して医療従事者を確保するという。
同市の高齢者向け接種についても、同様の受け入れ態勢で対応する。
65歳以上の市内在住者を対象として今月中にも開始し、7月末までに計4回実施する予定。社員も受け付けや誘導などで協力するという。
ワクチンは職場接種と同様に米モデルナ製を使用する。
ワクチン担当の河野太郎行政改革担当相の地元でモデルケースを作り、広がりを期待する政府関係者は「接種のスピードアップが必要。現行体制では限界があるので、企業に協力してもらえるとありがたい」と話す。
同社幹部も「これまで地域貢献に取り組んできた。今回も力になれれば。高齢者接種終了後も可能であれば協力したい」と話している。