ソフトバンク・工藤監督 前日4安打の三森ではなく川島起用進言の打撃コーチに「見事だった」

交流戦は苦しい戦いが続くソフトバンク・工藤監督(左)

ソフトバンクは11日のヤクルト戦(ペイペイ)に0―1の零封負け。燕の41歳左腕・石川に打線が翻弄され、20年連続の白星となる通算175勝目を献上した。

工藤公康監督(58)は試合後、相手を上回る7安打を放ちながらの完封負けにも冷静だった。「チャンスはつくれている。大事なのはそこなんで。そこがつくれないと工夫が必要になるが、今日はそこがつくれていたので、次回はあと1本というところになる」と、努めて前を向いた。

この日は前日の広島戦でチーム5安打中、一人で4安打をマークするなど一軍昇格後の打率が4割を超える三森をスタメンから外した。この起用に指揮官は「打撃コーチも考えてくれている。三森と石川というところを考えた時に、なかなかシンカーとスライダーというのは対応しづらいんじゃないかと。そういう中での川島だった」と説明。「1番・二塁」で先発したベテラン・川島は左投手キラーの本領を発揮し、石川から2安打をマーク。この結果に指揮官は「そこは見事だった」と、打撃コーチをたたえた。

この日の敗戦で交流戦の勝ち越しがなくなった。過去15年で8度優勝のホークスにとっては、2012年以来9年ぶり3度目となる白星不作の交流戦となった。「長いシーズン、いろいろある。我慢するところは我慢して。明日を見据えてやっていくしかない」。指揮官は自らに言い聞かせるように球場を後にした。

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