多様性配慮の「準制服」式典で着られず? 新足利高巡り疑問の声

ジャケットスタイルの準制服(県教委提供)

 足利高と足利女子高を統合して来春開校する「足利高」の新制服を巡り、11日の栃木県教育委員会定例会で委員から「多様性を認める教育に相反するのでは」との指摘が上がった。新制服は男子が詰め襟、女子はセーラー服。多様性に配慮し「準制服」も設けたが、入学式などの式典では着用は不可の見込みのためだ。

 10日に公表された新制服は、両校の卒業生らの意見を踏まえ伝統を受け継いだデザインを採用。一方、希望に応じて選択できる準制服はジャケットにネクタイのスタイル。同校設立準備委員会の「想定」では、式典では通常の制服を着用することとしていた。

 定例会で工藤敬子(くどうけいこ)委員は「男性色、女性色の強い制服の着用を求めることになれば、我慢を強いられる子が出てくるのでは」と問題提起。別の男性委員も「継続の課題としてほしい」と注文を付けた。

 定例会後、県教委総務課の担当者は「開校後の状況を見ながら、制服の運用法は注視していく」と述べるにとどめた。

© 株式会社下野新聞社