「海底熟成ワイン」、そのお味は? 神奈川・三浦の小網代湾で120本引き揚げ

引き揚げられたワインボトル。ケースにもフジツボが付着している

 三浦市・小網代湾の海底から120本のワインボトルが15日、引き揚げられた。

 地元関係者で構成する協議会が希望者から預かり、まろやかな味わいにするため半年間熟成させた。目立った破損もなく、関係者は満足そうだった。

 適度な水温の海底に半年ほど寝かせた「海底熟成ワイン」は静岡県・西伊豆などで取り組まれ、波とともに瓶がほどよく揺れ、まろやかな味わいになるといわれる。

 条件に恵まれた小網代湾でも昨年12月、地元の観光団体、漁業組合、自治会などの協議会が約400本のボトルを水深10~15メートルの砂地に沈めた。

 熟成中は24本入りの1ケース当たり約6万円の委託管理料をもらい、地元の漁協組合員が見回りなどを続けてきた。

 穏やかな陽気となった15日は、みうら漁協理事の木村俊一さん(76)らがボートで5ケースを引き揚げた。

 注ぎ口を蜂蜜の蝋(ろう)で固めたボトルにはフジツボが付着していたが、木村さんは「蝋も剝がれず、順調に熟成した」とほっとした様子。試飲も行われ、「ワイン本来の渋みにまろやかさが加わった感じがする」と好評だった。

 残りのボトルは22日に引き揚げられる。

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