「蔵人の情熱」が実結ぶ 全国新酒鑑評会 長崎県内5銘柄入賞の快挙 河内酒造『白嶽』、福田酒造『福鶴・長崎美人』が金賞

会見で喜びを語る蔵元の代表ら=県庁

 今年の全国新酒鑑評会で長崎県内の日本酒5銘柄が入賞を果たした。河内酒造(対馬市)の大吟醸「白嶽(しらたけ)」と福田酒造(平戸市)の大吟醸「福鶴・長崎美人」は最高賞の金賞を受賞。入賞した蔵元関係者は15日、県庁で会見を開き、五つの蔵元の同時入賞を「快挙」だと喜び、「酒を通じ、日本の中で長崎県の米、水、人が評価された」と胸を張った。
 入賞したのはこのほか、杵の川(諫早市)の大吟醸「雫しぼり」、今里酒造(東彼波佐見町)の大吟醸「六十餘洲(よしゅう)」、山崎本店酒造場(島原市)の大吟醸「まが玉」。
 各蔵元によると、昨秋の台風による原料米の被害に加え、新型コロナウイルスの影響で売り上げが大幅に減少。厳しい現状の中、県産酒のよさを広く県民にPRするため、合同会見を開き、今里酒造を除く蔵元の代表らが出席した。
 福田酒造の福田詮社長は金賞受賞の背景に「台風にもコロナにも負けないという蔵人の情熱」があったと強調。濃醇(のうじゅん)辛口で飲みやすい銘酒に仕上げた。河内酒造の伊藤浩一郎代表は、香りと味のバランスがいい出来に「(金賞受賞を)期待していた」とし、「コロナ禍で明るい話題が発表できてよかった」と話した。
 同鑑評会は酒類総合研究所(広島県東広島市)などが毎年開いている。今年は全国から821点が出品され、味や香りなどを審査。413点が入賞し、このうち207点が金賞に選ばれた。

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