土地規制法成立 対馬、佐世保市長ら歓迎 柔軟な運用求める声も

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 安全保障上重要な施設周辺や国境離島の土地利用を規制する法律が成立した16日、韓国に近い対馬市、基地を有する佐世保市の首長や関係者は「国防に資する」と歓迎した。一方で、経済面の影響を考慮し柔軟な運用を求める声も聞かれた。
 対馬市では2008年、海上自衛隊基地の隣接地に韓国資本のホテルが開業し、懸念の声が広がった。比田勝尚喜市長は「外国資本による重要施設隣接地の土地買収は国土防衛に影響を与える。市としても、かなりの面積を買収され公共事業ができなくなる事態は避けたい」と述べ、法規制を前向きに評価した。
 その一方、新型コロナウイルスの影響で日韓航路が運休する以前の18年には、過去最多の約41万人の韓国人観光客が来島していた。比田勝市長はこの実情を踏まえ「韓国資本のホテルや飲食店などの経営まで規制されると、対馬の経済が停滞してしまう恐れがある」として、バランスのとれた運用を国に求めた。
 市内で観光業を営む60代男性も「誰がどんな目的で土地を買おうとしているか分かるのはいいことだ」と法規制に理解を示しつつ、「歴史的にも、対馬は外国との交流で発展してきた。本当に『対馬のために』と思う資本が入れなくなるような事態は避けてほしい」と話した。
 自衛隊や米軍の基地を抱える佐世保市の朝長則男市長は「悪意を持った、重要施設周辺や離島の土地、建物購入を一定防止できる。一般的な商取引への影響はわずかと推察している」とコメントした。
 九州弁護士会連合会(森本精一理事長)は反対声明を出し、「対象施設や『機能を阻害する行為』などがあいまい。人権侵害の恐れが極めて高い」などと問題点を指摘した。