衆院選 県内選挙区情勢 <長崎2区> 与野党現職一騎打ち公算

松平浩一氏 (写真左)、加藤寛治氏

 4期目を目指す自民、加藤寛治氏(75)と、前回、比例北陸信越で初当選した立憲民主、松平浩一氏(46)が立候補の準備を進め、与野党現職の一騎打ちとなる公算が大きくなっている。
 島原市出身で県議8期、農協組合長などを務めた加藤氏は過去、父親の代からの強固な後援会、自民議員団、農政連などによる組織戦を展開。この間、大票田の諫早市に後援会組織を立ち上げるなど体制も拡充し、臨戦態勢を敷く。
 衆院選に向け6月5日、2区内の自民支部長、幹事長ら約60人が出席し同市内で開いた会議。2区支部長代行の八江利春県議は「4期目は大臣なども視野に入れながら活動していただく。大きな期待がかかっている」と強調、4選へ挙党態勢を呼び掛けた。
 農業関係の基盤整備、高規格道路の建設促進、災害対策などに取り組み、2区内の首長や自民議員らからは「地域の要望を国政に届けてくれている」などの評価が聞かれる。一方、コロナ禍で集会などの活動が制約される中、議員の一人は「(政治離れが進む)若い世代にどう浸透させるかが課題だ」と指摘する。
 島原藩主だった松平家の遠縁に当たると言う松平氏は初の小選挙区挑戦。2区を「1次産業や観光産業で可能性がある地域」と位置付け、弁護士として企業再生や創業支援に取り組んだ経験を生かし、雇用創出など地域活性化策を掲げる。
 2018年11月の出馬表明以降、コロナによる中断も挟みながら、ミニ集会や支援者回りなどを重ねる。5月、島原半島内の民家で開いたミニ集会では、住民からコロナ対策や「政治とカネ」の問題を巡り、菅政権への批判が噴出。こうした不満を追い風に反自民票の掘り起こしを急ぐ。
 「しがらみにとらわれず活動している。企業絡みの政策は得意」(支援議員)との評価の半面、知名度不足は否めず、野党共闘がどう機能するかも鍵。フル活用する会員制交流サイト(SNS)は今後地元の話題など2区の有権者を意識した内容に本格的にシフトし、若年層への浸透も図る。


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