衆院選 県内選挙区情勢 <長崎3区> コロナ禍 活動模索

写真左から 山田博司氏、山田勝彦氏、谷川弥一氏

 自民現職の谷川弥一氏(79)=6期目=、立憲民主新人の山田勝彦氏(41)、無所属新人の山田博司氏(51)の3人が立候補する見通し。新型コロナウイルス感染拡大の影響で各陣営は「思うような活動ができない」と頭を悩ませている。
 谷川氏は今月4日、大村市内の会合で、友好市議団から九州新幹線長崎ルートの全線フル規格化などの要望を受けた。後援会幹部は「新型コロナで、こんな会合を開くのも珍しい。戸別訪問も十分にできない。今回の選挙は厳しい戦いになる」と話す。
 陣営では谷川氏の活動などを紹介するスマートフォンアプリを開発し、会員制交流サイト(SNS)も積極的に活用。議員活動のほか国境離島新法による雇用創出などの実績を発信している。ある県議は「支持者には高齢者も多く、どれだけネットで浸透させられるか」と気をもむ。
 山田勝彦氏も戸別訪問は控え、街宣車で各地を回りながら「世代交代」を訴える。SNSのほか動画投稿サイト「ユーチューブ」にもチャンネルを開設。「個人演説会など従来のようなやり方では訴えを届けるのは難しい」とコロナ禍に合った方法を模索している。
 勝彦氏は5月下旬に壱岐事務所、今月中には対馬事務所も開設し、組織固めを進める。ただ五島市の支援者は「(元農相の)山田正彦氏の息子と初めて知った人もいる。知名度アップが課題」と漏らす。
 山田博司氏は精力的に離島などを回り、「どぶ板活動」を展開。「4年強かけて各世帯を回り、街頭演説も繰り返してきた」と話す。主地盤の五島市では少人数で「囲む会」なども開催。対馬市でも自民支持者の多い漁業者への働き掛けを強めるなど、後援会幹部は「(ほかの2人とは)比じゃないくらい回っている」と自信をのぞかせる。
 他陣営の関係者も「所構わず回っている」と博司氏の動きを警戒するが、「五島以外でどれほど票を伸ばせるか」との声も聞かれる。


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