「韓国は米主導の経済ブロックに積極参加必要」韓国研究機関

韓国が米国のサプライチェーン強化政策を契機に、米国主導の経済ブロックに積極的に参加しならないという意見が出ている。

全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院は16日、報告書「バイデン政権の貿易政策と韓国の対応戦略」を発表し、米中貿易紛争の本質は、単に貿易不均衡の解消次元ではなく、短期的な効率の損失をも甘受した覇権競争であることから、米国主導の経済ブロックの形成は避けられないと予想した。

米国は多国間の自由貿易協定(FTA)方式ではなく、公式かつ非公式に、経済協議体方式による経済同盟ブロックを主導する可能性が高いとの分析だ。

ジョー・バイデン大統領の行政命令によって作成された米サプライチェーン100日評価報告書によると、グローバルサプライチェーンを強化するため同盟国間の「大統領フォーラム」(Presidential Forum)創設を提案したのが、その代表的な例と指摘された。

報告書は、米国と同盟国の国内総生産(GDP)の合計が全世界のGDPの65.8%に達することから、米国中心の経済ブロックに積極的に参加しなければならないと主張した。

報告書を作成したイ・テギュ選任研究委員は、「米国は、自国産業の育成と保護のための果敢な産業政策の導入を推進すると同時に、利害が一致する同盟国との間の迅速な協議で、中国を牽制するだろう」と明らかにした。

続けて、「米国のサプライチェーン強化政策の核心は、米国内の生産奨励と国内生産が難しい主要商品のサプライチェーン安定という二軸で構成されており、米国と協力しながら、米国政府の支援を引き出す努力が必要だ」と付け加えた。

また、米国は今後、ハイテク製品(ATP)に分類される商品の輸入において中国をなるべく排除しようとする傾向が強くなることから、この機会を活用して、韓国が中国の代わりとなる役割を担えるよう努力しなければならないと主張した。

中国が生産するATPの大部分は、中国に進出した海外ハイテク企業が占めているだけに、これら企業が中国を離れ、新たな生産拠点として韓国を選択できるよう、労働硬直性を解消し、規制改革など遅延改革課題を履行しなければならないと報告書は語る。

報告書では、米国が世界貿易機関(WTO)を柱とする多国間主義に復帰することに、かなりの時間が所用されるとみている。

イ選任研究委員は、「中国を牽制するためのWTO改革は、他の低開発国の利害と衝突する可能性も大きいので、かなりの難航が予想される」とし「米国との継続的な対話と協力を通じてWTO改革の過程で韓国の理解が反映されるようしなければならない」と強調した。

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