長崎市議会 浄水場を長与町と共同整備 2028年供用開始目指す

 定例長崎市議会は17日、総務、教育厚生、環境経済、建設水道の4常任委員会を続行。建設水道委で市は、西彼長与町と新しい浄水場の共同整備について、事業化に向けた協議を進める方針を明らかにした。新浄水場は浦上ダム近くの市北部下水処理場跡地(長与町高田郷)を予定地として、2028年の供用開始を目指している。
 人口減少に伴う水需要の減少や水道施設の老朽化など共通課題を抱える中で、水道事業経営の将来を見据えた対応。当初、西彼時津町も含めた3市町での共同整備を検討していたが、同町はコストメリットがないとして、参画しない意向を示したという。
 市水道局によると、水需要については、19年と49年の1日最大給水量を比較すると、市は29%減少、長与町は21%減少と予測。このため、両市町では今後、水需要に応じた適正規模での施設更新や統廃合が必要だった。新浄水場を共同整備した場合、市は浦上浄水場と道ノ尾浄水場を、同町は町内3浄水場を廃止することが可能となる。
 新浄水場を共同整備する場合、49年までに必要な総費用を比較すると、市は単独整備案よりも約44億円、同町は既存浄水場を更新する案よりも約10億円、それぞれコストを抑えることができると試算。時津町についても検討し、同町は一部改良した既存施設を継続使用する方針で、共同整備案の方がよりコストがかかるとの評価だった。
 整備事業費は約100億円を見込んでいるが、2事業体以上が共同で水道施設を建設する場合、整備費用の約53%は国からの財政措置が受けられる。年度内にもPFI(民間資金を活用した社会資本整備)の可能性検討に入る方針。

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