佐世保空襲の実相伝える 市役所でパネル展 29日まで

空襲後の市街地の様子を伝えるパネル展=佐世保市、高砂駐車場7階連絡通路

 市民約1200人が犠牲になった長崎県の佐世保空襲の詳細を伝えるパネル展が佐世保市役所の高砂駐車場7階連絡通路で開かれている。29日まで。
 空襲は1945年6月28日深夜から29日未明にかけて起きた。141機の米軍爆撃機B29が市街地に焼夷(しょうい)弾約千トンを投下し、全戸数の約35%にあたる約1万2千戸が全焼。約6万人が被災し、焼失面積は約178万平方メートルに上った。
 芸文堂発刊の写真集に掲載されている終戦直後に撮影した写真に説明文と近年の様子を添えたパネルを展示。焼け野原を前に立ち尽くす市民の姿や生活再建に奔走する人々の様子を伝えている。
 当時、稲荷町に住んでいて空襲を経験したという男性(82)は「サイレンが鳴り、必死で家族と避難した。悲惨な街の様子を知ったのは空襲がやんだ後だった」と回想。「毎年この時期になると当時のことを思い返します」とかみしめるように語った。
 市は29日に佐世保市民文化ホール(平瀬町)で開く「佐世保空襲死没者追悼式」について、新型コロナウイルス感染防止のため一般参列者を原則受け付けず、規模を縮小する。

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