「イカシバ」の卵付着を調査 大瀬戸町漁協 30年以上前から

イカシバに付着したミズイカの卵=西海市大瀬戸町

 長崎県西海市の大瀬戸町漁協(本木隆光組合長)は、同町地先の海中に設置している「イカシバ」に、ミズイカ(アオリイカ)の卵がどの程度付着しているかを調査した。
 ミズイカは例年5~7、8月ごろ、海藻などが茂る藻場に産卵するが、磯焼けにより藻場が減少。このため、資源保護を目的に、30年以上前から旧町や市の助成を受けてイカシバの設置を続けている。
 イカシバは海中に沈めても葉が落ちにくい広葉樹(クロキ)の枝を束ねたもの。今年は4月下旬~5月上旬、同町多以良、松島、瀬戸地区沖に沈めた。
 17日は乳白色でゼリー状の卵嚢(らんのう)の付着を確認。イカ部会長の遠谷千年さん(62)によると、今年は卵の付きが遅く、量も少ないという。「長年の取り組みで漁業資源が循環している。釣り人にも取り組みや資源保護に関心を持ってほしい」と話した。
 イカシバは8月中旬まで海中に沈めている。

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