開港450周年歴史クイズ制作中 長崎女子商業高商業研究部 4択13問考案 秋ごろ 市内イベントで披露へ

開港450年にちなんだクイズ制作に取り組む商業研究部のメンバー=長崎市栄町、長崎女子商業高

 「1808年、イギリスの軍船フェートン号が長崎港に不法侵入した際、イギリスではなくある国の国旗を掲げて入港してきました。ある国とはどこの国のことでしょうか」-。長崎女子商業高(長崎市)の商業研究部が、今年の長崎開港450周年にちなんで歴史のクイズ制作を進めている。部員は「クイズで長崎の歴史を楽しく知ってほしい」と話している。
 同部は同校の部活動の一環で、長崎の地域活性化を目的にした商品開発などに取り組んでいる。部員は3年で部長の中田葵さん(18)、3年の中島実咲さん(17)、2年の神坂花さん(16)、2年の小道渚紗さん(16)の4人。
 クイズ制作は、1571年のポルトガル船入港により長崎が開港して450年の節目の盛り上げに一役買おうと、生徒が発案。同部は3年前にポルトガルと長崎の歴史的な関係に注目し、同国に多いアーモンドの花と長崎の教会をデザインしたスマホクリーナーを開発。このためポルトガルと長崎の歴史について学んできた経緯があり、開港後の歴史を感じられるクイズを作って、関連イベントなどで披露できればと考えた。
 今年春から、インターネットの文献や博物館の見学、史跡を巡るフィールドワークなどを通した調査を本格的に開始。これまでに、特に市民に知ってもらいたいと思った事柄に関する4択クイズ13問を考案した。内容はキリシタンや外国船、産業、長崎の名物などに関するもの。短文で分かりやすく説明する問題文の表現や、間違いの選択肢を考えるのが特に難しかったという。
 中田さんは「出島はポルトガル人を収容するために造られ、それに関わった出島町人という人たちがいたことなどを知って、勉強になった。長崎には重要な歴史がたくさんあって、学んでいて飽きない」、小道さんは「普段通っている道などにも『こういう歴史があったんだ』と、奥深さを感じる」と語る。
 現在はクイズの最終的なチェックや出典のまとめなどをしており、完成は目前。おまけとして、13問の答えの文字の一部を取り出してつなげると、開港500年へ向けたメッセージになる趣向の企画も構想している。顧問の川内禎久教諭は「部員が何らかの形で、長崎の歴史を受け継いでいく役目を担ってくれれば」と話す。
 クイズは秋ごろ、市内で開かれる子ども向けの開港関連イベントで、参加者に解いてもらう計画が進んでいる。中島さんは「歴史を通して長崎がどれだけすごいところなのかを知ることができた。全国の人にも伝えたい」、神坂さんは「イベントに参加してもらい、クイズを楽しみながら長崎のことを知って、好きになってほしい」と話した。


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